徹底した品質管理と技能継承

パイテックが作る製品の中には、原子力発電所のポンプ主軸など、わずかな誤差も許されないシビアな公差が要求されるものも少なくないといいます。パイテックではそんな1,000分の1mmの世界で顧客のニーズを叶えていくために徹底した品質管理体制と、たゆまぬ人材育成が行われているそうです。 

まず、品質管理体制では加工精度を向上させるため、様々な面からアプローチしているのだそうです。国家技能検定の取得や国際規格ISOの取得、トータルシステムワークの改善、最新機械設備の導入などが挙げられています。パイテックの高精度加工は様々な施策によって裏付けられているといえるでしょう。

また、ミクロン単位の世界で追求するパイテックでは、作業環境にも細心の注意が払われているのだそうです。パイテックでは合金やチタン、セラミック、ファインセラミック、ガラス、テフロンなど、様々な素材に対応したサービスを展開しています。そんな素材の中には、気温により体積や長さが熱膨張し、増減してしまうものもあるようです。目に見えない程の小さなズレでも、ミクロンの世界に取り組んでいるパイテックでは完成品の精度に影響を与えてしまうのだといいます。そのため、パイテックでは加工環境や測定環境の管理、測定機器の管理を徹底。厳格な管理体制のもと自社検査を徹底することで、シビアな公差にも対応しているのだそうです。

パイテックが得意とする大口径ロール・長尺シャフトですが、その仕上げにはやはりどうしても機械ではなく人の手でなければ実現不可能な領域もあるといいます。長年にわたって大口径ロール・長尺シャフトの製作に取り組んできたパイテックを含むサクライグループであっても、現在その最終仕上げが行えるスタッフは一部の限られた職人とのこと。それだけ難易度の高い仕事であるということでしょうが、パイテックでは次世代の“匠”の育成とオリジナルの加工技術の追求にひと際注力して取り組んでいるといいます。

最重要かつ最難関といえる最終仕上げを任されている“匠”による実践レクチャーや技術研究会、常日頃から加工技法の見直しなどを積極的に行い、現場スタッフのスキル向上を図っているのだそうです。技能継承を会社が主体となって積極的に展開し、優れた加工技術を次世代へ受け継いでいくことで、高い技術力を維持・向上させているようです。その結果、パイテックは円筒度や面粗度といった精密さに関わる評価項目において業界トップクラスの精度を実現。各産業がこぞって重要部品の製作を依頼する背景には、このような取り組みがあるといえるでしょう。