社会的責任を担うモノづくり

大型の壁紙やガラス、フィルムなどを成形するためのロールや、様々な機械の心臓部となるモーター、シャフトなどの高性能回転体を手掛けるパイテックは、大阪にある会社です。同じく大阪にある桜井鉄工所・伸明ロール工業とともにサクライグループとして、日本の発展を支えてきたといいます。サクライグループの中核となる桜井鉄工所は昭和16年創業の老舗企業であり、サクライグループは「西のサクライ」として各産業から高精度な加工技術などを高く評価されているのだそうです。

そんなパイテックが名だたる大企業から選ばれる理由には、長尺・大口径対応と高精度加工の両立、ワンストップサービスと短納期化など、複合的なサービスが挙げられるでしょう。

パイテックが得意とするシャフト製作では、製品が長くなればその分振れやしなり、たわみなどが発生しやすくなります。そのため、6,000mm以上はとたんに難易度が跳ね上がり、緻密な加工が難しくなると言われているのだそうです。そんな中でパイテックは最長20,000mmもの長尺に対応。一般的に難易度が高くなると言われている長さの実に3倍以上です。長尺シャフトの製作に最適な機械設備の導入やパイテック独自の加工技法、そしてなにより、それらを扱う職人の高い技術力があって実現しているといいます。独自の加工技法は企業秘密とのことですが、それにより長尺対応と高精度加工を同時に実現し、多くの顧客の要望に応えているのだそうです。

また、もう一つの事業であるロール加工では、大口径加工に対応した研削機・旋盤機を導入するだけでなく、品物を吊るすためのクレーンなど周辺設備も大口径に対応させることで、最大加工径2,100φの産業ロール加工に対応。ロール加工の場合は、主に機械設備のスペックが重要となってくるそうですが、周辺機器も大口径に対応させることでより大きなロールの加工を実現しているのでしょう。大経口ロール対応に加えて、鏡面ロールなどの表面加工にも高い精度で対応できることがパイテックの強みなのだといいます。特に製鉄や製鋼、製紙、化学といった分野に用いられる超大型ロールの製作が強みとして挙げられており、その製作実績は他社の追随を許さないと自負するほどだといいます。

大型対応と加工技術の精緻さで、「丸モノ」加工としては業界トップクラスの技術を誇るパイテック。その製品は大型船舶のシャフトや橋、発電所のタービンなど、日頃から目にするようなものではありませんが、社会的な重責の一翼を担っている企業であることは間違いなさそうです。